特別インタビュー
桧山進次郎

 22年間にわたる野球選手人生が終わりの時を迎えていた。しかし桧山進次郎選手は引退セレモニーを終えても、最後の一分一秒まで、最後の一打席、一球まで、全身全霊をかけてプロ野球選手を全うしようとしていた。
 結果的に、あとひとつの「忘れ物」を獲りにいく夢は途中でついえたが、その最後の瞬間は、22年分の思いを乗せたアーチという最高の形で演出された。そんな感動的な終幕を前にして、桧山選手に話を聞いた。

 
―先日の引退試合、セレモニー。スピーチも含め、いいセレモニーでしたね。
スピーチはね、噛まずに言えたので、その点についてはホッとしましたね(笑)。ただ僕の場合は、あの日ですべてが終わるということではないので、そこから先、どのチームより長く野球をやるために準備をしていかないといけないというのがありましたからね。あの日だけは、個人的なことで一日が終わりましたけど、そこからスパッと切りかえて。

―あのゲームに関しては、久々の先発出場。ヒットは出ませんでしたが、慣れ親しんだライト守備に久々に就きました。
序盤はね、晋太郎がピンチの連続やったんで、「晋太郎、頑張れ頑張れ!」って思いながら守っていました。集中してね。だからライトを守ってそういう余韻に浸るとか、思い出が甦るとか(笑)、そういうのは一切なかったです。



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